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紡だよりVol.21 世界で唯一のお雛様

執筆者の写真: tsumugitsumugi

更新日:2019年1月11日



 出雲に住んで早18年目、平田に住んでも15年が過ぎますが、今日のような大雪は初めてでした。

 深いところは40センチから50センチもあったでしょうか。

車を動かすための除雪で腰が痛くなる有様です。でもそんな時だからこそ、春を感じたいものです。ひな人形にまつわるエピソードです。


1月は「行く」、2月は「逃げる」、3月は「去る」とはうまくいったものです。年が明けると本当にあっという間に時が過ぎ、得体のしれないものに急き立てられるような感さえ覚えます。例年以上の寒波と積雪に震えつつも、庭木の芽はほんのり膨らみを帯び、まだまだ遠いと思っていたような春の声すら聞こえるようです。そこで真っ白な外景色を尻目に、先日早々にお雛様を出しました。ただそれだけで、部屋の中に春風が吹いたようです。


 亡き母が2人の娘に作ってくれた二組の木目込み人形です。元々は購入するつもりだったようですが、デパートなどに“視察”に出向いたところ、余りに高額だったのに加え、私の祖母がかつて自宅で数多くの木目込み人形を作っていたことを思い出し、未経験にも関わらず「自分にもできるかも」と思い込んだのが発端でした。教室に通い始めたところ、「お雛様なんて早くても4、5年はかかる」と言われて落胆していたものの、無責任な私に発破をかけられ、そうして長女の2歳の節句には何とか間に合わせてくれたのでした。


 凝り性で頑固な性格ゆえ一筋縄では行きません。教室推薦の着物の柄は気に入らない、と知り合いに昔着物の端切れをもらったり、他の教室にも習いに行ったり、かなり苦労して仕上げてくれました。

 お雛様そのものも素敵で、娘にとって嬉しいものでしたが、何より母の想いや努力、それにまつわるエピソードも忘れられないものとなりました。お金では買えない、世界で唯一のお雛様です。(2018.2.8)

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