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  • 執筆者の写真tsumugi

紡だより Vol.11 雑草から見えるもの

更新日:2018年8月27日



 太陽の日差しが降り注ぎ、土の温度が上がり、適度な雨が降ると、声を上げて一番喜んでいるのは誰でしょう?今年の初夏は雨のタイミングが“良く”、特に元気に思えます。そう雑草たちです。知人は、「草刈りを頼んだ人にお金を払う前に、もう草が生えてきたわ」と苦笑していました。 確かに恐ろしい勢いで伸びました。  「都会の人は、草を刈らないと仕事や生活に支障が出るなんて想像もしないだろうなあ」。私が、畑の草がすごいことになっているという話をすると夫がぽつりと漏らしました。実家は梨や田んぼ、筍で生計を立てる専業農家。自分自身も、仕事で中山間地に出向いたことが多かったせいもあり、感じることがあるのでしょう。ガーデニングの草取りと、家周辺や畑、田んぼの草刈りは、意味合いが違います。庭の見た目が少々悪くなるのと異なり、農作業が行えなかったり、作物の出来不出来にも関わってくる。それは生計を左右します。  冬の雪かきも同じようなことでしょう。毎年のように、雪かきの途中で屋根から転落して亡くなる方がいますが、裏を返せばそれほどの必要性があり、緊急性があるゆえに行うわけです。人に頼むにもお金はかかるし、順番待ちもある。屋根に負荷がかかり過ぎる前に、つい自分でやってしまおうとする気持ちはよく分かります。   実家のある大阪では、雑草がよく伸びてやっかいなことも、雨が降らなくて畑や田んぼの水管理が大変なことも、カラスに畑の作物が獲られることも、雪かきに汗をかくことも、ほぼありません。スーパーに行けば大抵のものは手に入るし(でも丸魚は売ってない!)、値段だってそんなに高価なわけでもありません。島根での日々が嘘のように、お金さえ出せば安易にいろんなものを手に入れることができるのです。  でも。もしかしたら便利さと引き換えに失っているものも少なくないのかもしれません。人間が実はちっぽけで頼りない存在であるということ、五感でいろんなものを感じるということ、自然は恵みでもあり、脅威でもあるということ……。  大阪で過ごした約1週間の夏休み。お洒落して百貨店に出向くのは楽しかったけど、自然と断絶された都市生活はなぜか少し疲れました。(2016.8.4)

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