雪の下に小さな芽を見つけ、土筆や蕗の薹に心を躍らせていると、あれとあれよという間に筍が生え始め、桜が咲いたかと思えばチューリップがしぼむ。あんなに待ちわびていたのに、来てしまうと、一瞬ごとにくるくると表情を変えて、夏へと走り去ってしまう。最近の春って、そんなイメージ。慌ただしく逃げようとする春に、追いすがりたくなる――。そんな気分の今日この頃です。 「ユーチューバーってあかんのかなあ?」。春先に会った旧友がぼやいていました。中学に進学した次男が小学校卒業文集に“将来の夢”と記したところ、担任に他の職業への書き直しを命じられたとのこと。友人は次男と一緒にYoutubeを見ては、内容や構成に感心することも少なくなかったそうです。「たくさんの人に見てもらえて、喜ばすことができるってすごいなあ」と言う次男に、友人も「努力して時間かけて作ってると思うで。すごいよね」と返したようです。 確かに私の感覚としても、「ユーチューバ―」って職業というイメージはありません。でも誰かを傷つける訳でもないし、実際に収入を得ている人もいる。即座に否定するよりは、その仕事について詳しく調べさせたり、具体的な仕事内容を想像させたりすることが大事なのではないのかしら。友人は少し抵抗したものの、校長まで出てきたこともあり、結局書き直したとか。 和菓子屋をパン屋に書き換えさせた道徳の教科書じゃないけど、なんか息苦しさを感じるのは私だけでしょうか。(2017.4.26)
紡だより Vol.15 検閲でしょうか。それとも…
更新日:2018年8月27日
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