tsumugi2016年4月8日2 分紡だより Vol.8 想像してほしい――河川敷の埋め立て地のような場所を借りて、見よう見まねで畑仕事を始めてから早くも10年近く経ちます。知人に借りた“つるはし”で、小さいものから大きいものまでどれほどの石を掘り出したことでしょう。錆びた缶や土のう袋なども出てきました。“石退治”が済むと、知人の牧場から頂いた良質...
tsumugi2016年2月3日2 分紡だより Vol.7 心をかけた贅沢な時間気がつくと、玄関先に置いてあった観葉植物は凍みて茶褐色に変わっていました。犯人は、氷点下5度という最低気温の要因となった数十年に一度の寒波。まるで手を広げたような形の薄緑の葉っぱたちは、夏も冬も10年以上もの間、何気なく空間に安らぎを醸し出してくれていたのに。共犯者は、自分...
tsumugi2016年1月12日2 分紡だより Vol.6 伝えたい、味と心正月の雑煮が、“ぜんざい”だということに驚いたのは出雲に来て間もない頃。高級な十六島海苔のすまし雑煮と共に、今も夫の実家(安来)で頂きます。一方、大阪の私の郷では白味噌仕立てに焼き餅。母亡き後も、実家では彼女の味を思い出しながら再現し、見様見真似でこしらえた数品のお節料理と...
tsumugi2015年10月28日2 分紡だより Vol.5 “易きに流されるなかれ“茶の地に、金とも黄とも言えぬ色の大きな渦巻き模様。裏地は朱色という斬新なデザインは、大正3年生まれの祖母から受け継いだ着物です。たぶん銘仙でしょうか。さすがにところどころ小さな穴やほつれはありますが、普段着というか作業着というか、店で着るのに支障はありません。私の記憶にある...